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『ねずみとくじら』

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『ねずみとくじら』
ウィリアム・スタイグ/作
せたていじ/訳
(評論社)


友達ってなんだろう。

子どものころの私には、
男女問わず大好きな友達がいた。
永遠に続くと思っていた。

でも。
結婚して、生まれ育った場所を離れた。
その上、どんどん年を重ねて
それぞれに家庭や事情を抱えたいま、
友情関係を続けることに、
難しさが生まれているように感じていた。

近くに住んでいるか、
頻繁に会えるか、
結婚しているか、
子どもがいるか、
子どもは何歳で、何人いるのか、
どんな生活をしているか、
相手は同性なのか…
いろんな理由が私たちのつながりを絶っていく。
そんな感覚。

悲しいけれど、仕方のないことだとも思った。
そうやって少しずつあきらめて、私は今ここにいた。


この絵本に登場するのは、小さなねずみと大きなくじら。
大きさも住む場所も違う、
出会うことのない二人が出会ったとき、
そこに生まれていたのは確かな友情で。

この絵本を読んで感じたのは、
私が気にしていること全部が、
とてもとても些細なことなんだということ。

いま私たちは別々の場所に住んでいて
それぞれの生活や家族がある。
会って話すことすら容易ではなくなってしまった。それでも。

一緒に泣いて笑って過ごした日々、
あの日あなたが私を救ってくれたこと、
隣にいてくれたこと、
私は一生忘れないから。

友情はなくなったわけではない。
どこにいたって何をしていたって、時間や思いは消えたりしない。

いつも一緒にいなくてもいい。
ただ相手を思い、
相手がつらいときには味方になろう。
そんな友情の形がある。

これから人間関係を築いていく子どもにも
私のような大人にも。

本当の意味で大切な関係を
教えてくれる、そんな絵本。



⚘当店の絵本は、美~良品の古本です。
⚘ご入金確認後、3営業日以内に発送いたします。

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