『きつねのかみさま』
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『きつねのかみさま』
あまん きみこ/作
酒井 駒子/絵
(ポプラ社)
小さいころにこの絵本と出会った記憶がない。
それもそのはず、この絵本の出版は2003年。
中学3年生のころだった。
大人になり、図書館で働き始めて数年。
あまんきみこさんの本を小学校で紹介する仕事が入り、
かたっぱしから集めて読んだ。
素敵な物語があふれるなか、ひと際印象的な本だった。
日常と非日常がゆるりと繋がっていく感覚。
小さな、あたたかい「嘘」と「思いやり」。
そして、主人公の「りえちゃん」の目線で語られた物語が
無邪気で、かわいくて。
私は滋賀の田舎で育ち、
自然のなかを走り回って大きくなったこともあってか
思い返せば、
子どものころっていろんな境界線が曖昧だった気がする。
この絵本を読むたび
こうやって、私の「日常」と「非日常」も
どこかで重なって、繋がっていたのかもしれない、と
あの頃の空気感が蘇ってくる。
きつねという動物は、
なんだか意地悪な描写で描かれることが多いけれど、
この絵本に出てくるきつねは、とっても可愛らしい。
それは、
同じく大好きな物語『雪わたり』(宮沢賢治/著)に出てくる
きつねを彷彿とさせる。
大人になって、
もうあの頃のように山や草原を走り回ることも
水路をたどることもなくなってしまったけれど
いつかこんな世界に出会えることを
私はまだ願っている。
⚘当店の絵本は、美~良品の古本です。
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